◆日 本 画
日本画を描くときに使用する色材は様々ある。
古来原料は天然に産する物が主で、現在では原料の不足や描き手の要求で新しい絵具も作られるようになった。
鉱物などの石から作られる物は岩絵具、土などからは水干絵具、貝殻からは胡粉、箔などの金属など。
新しい物としてガラス原材料を粉砕して作られる新岩絵具、原石を染め付けした合成岩絵具がある。
これらの絵具の粉末を膠で溶き、麻紙などに描きます。
◆油 絵
油絵の基本的な方法は、色のついた粉末(顔料)をリン シードオイル(麻の油、亜麻仁油)、またはポピーオイル(けしの油)で練ったも のを、テレピン(松から採った油)+リンシードオイル+樹脂などで溶いて、板 やキャンバス(麻布で織った画布)に白い下塗りを施し、その上に筆などで描く 技法である。またなぜ油絵の具が固まるかと言うと、リンシードオイル(他にリ ンシードオイルを熱や圧力で変成させ丈夫にしたボイルドリンシードオイル、ス タンドオイル)やポピーオイルが空気中の酸素と化合して固まるからである。
油絵は元はテンペラ画の上に施した油性のニスとして使われたものが発展したも のである。
15世紀はじめ頃フランドル地方(今のオランダ、ベルギー付近)でヤ ン・ファン・アイク(1390―1441)によって完成された技法である。
今日、混合 技法と呼ばれるテンペラと油彩の併用技法であった。当時の最高の伝達手段とし て、絵画はよりリアルな表現を追及したのである。
この混合技法と呼ばれる技法 は、テンペラによる不透明な絵の具によって物の物質感やひかりの強弱を表わ し、透明な薄い油彩によって物の色彩と奥行き感を表わした。
この混合技法によ る油絵は17世紀半ばごろまでの多くの作品に見られるが、その後の油絵は徐々 に簡略化した技法で描かれるようになってきた。
そのために油による焼け(絵肌 が茶色く変色してしまうこと)や、ひびや亀裂等の画面の痛みが目立つという修 復家泣かせの問題が、18世紀頃から今日の画家の作品には非常に多く見られる のである。芸術家は限りない表現の自由を大きな代償を払って得たのである。
私 達に良く知られた印象派や現代の絵画作品の多くは、17世紀半ば頃までの油絵 の技術的完成度には遠く及ばないのである。
◆アクリル絵具
顔料とアクリル樹脂分散液から作られる絵の具のこと。
アクリル樹脂分散液とは、顔料の粒子を接合したり、顔料を支持体に定着させる展色材のこと。
油絵の具が厚いペースト状の画層を形成し、乾燥すると不溶性であるのに対し、アクリル絵の具は透き通った画膜を形成し、被覆しにくい。
速乾性と耐水性をあわせもつため重ね塗りにも適している。
変色、ひび割れしにくく耐久性、柔軟性にも優れている。
草間彌生等はキャンヴァスにアクリル絵具で描いている。
◆テンペラ画
ヨーロッパ中世からルネッサンスにかけて盛んに描かれた絵画 技法である。
もともとはラテン語の“絵の具を混ぜる”というような意味で用い られていた言葉である。
歴史的には油絵技法が生まれる前の技術といわれている が、併用されていたり、テンペラを単独で用いたりしていた。テンペラ画は基本 的には,卵の黄身や白身、動物の皮を煮出して作る膠(にかわ)、チーズから採 れるカゼインをアンモニヤで処理した糊などを、水で溶いた顔料(色のついた鉱 物や岩石や土を細かく粉末状にしたもの)と混ぜて、動物の皮や紙、石膏を施し た板に描いたものである。
イタリアで行われたテンペラ画は卵黄と酢(ワインビ ネガー)によるもので半透明の美しい作品が残されている。
また、北ヨーロッパ (フランドル地方やドイツ、オーストリアなど中世ヨーロッパやルネッサンスの テンペラ画は金箔とともに使われた。オランダなどの北ヨーロッパではこのテン ペラ技法と油彩画の併用技法であった。
十七世紀半ば頃までの油絵と言われるも のはテンペラとの併用が多く見られるのである。
今日、テンペラ画は現代の画家 達によって再び注目されている技法である。
クレーやカンジンスキー、ワイエスなどの画家が名品を残している。